亡くなられたご主人様が焼物が好きで買い集められたとのことでした。
行って驚き、沢山の陶器です。
奥様が
「持っていても仕方ないから」
と寂しそうに言われたのが印象的でした。
またそれは故人への気持ちの整理を自分なりにつけられたようにも見えました。
買取査定の時は得てしてこのように言われることが多く、遺品整理的要素が非常に強い場合がかなりあります。
美術品ですので特に丁寧に扱うことはもちろんですが、思いやりを持って誠実にお話をしていかないといけません。あくまでも買取査定ですから、思い入れのある物に価格をつけなければいけません。ましてや中古市場です、一部プレミヤ的なものもありますが、ほとんどが買った時の値段からすると馬鹿みたいな価格の提示になってしまいます。
説明しながら査定価格を提示すると、即決を避けるように
「 検討されてください 」
と言い残しお宅を後にしました。
買取ですから勿論、箱や新聞紙など引き取れる準備はしてきましたが、お客様に価格ではなく何かまだ気持ちの整理がついてないような感じがしたからです。
仕事はご縁、良縁をゆっくり待つとしましょう。